
算数を苦手にする子たちのほとんどは,分数を上手に扱うことができません。38×0.5という計算だと,
0.5=2分の1=半分とイメージして,38÷2=19とすれば楽ですが,ここで小数の筆算をしているようでは上達しません。この延長で38×1.5というような計算でも工夫ができます。これは,38×1.5=38+38×0.5=38+19=57と暗算ができるところです。ここでは,小数と分数の切り替えがスムーズにできるかどうかがポイントになります。単純な話のようですが,じつは,0.5=2分の1は半分,0.75=4分の3は4等分したうちの3つ,というとらえ方は「割合」の単元の理解につながる重要なことなのです。割合の考えが身についていないと,分数を上手に扱うことができず算数が上達しません。
分数のかけ算で約分をしているとき,分母が2×5になったら,それ以上約分しないほうが楽です。ワードで打ち込んだ分数がうまく表示されないので画像にしましたが、ちょっと見にくいかもしれません。
分数計算でよく起こるのが約分でのミスです。次のような例が代表的です。
分子の5と約分したときの5をこの位置に書き、分母の10と約分してしまう
25を約分したときの5が他の数字に紛れて見落とされる
約分したときに書き加えられる小さな数字はミスを誘発しやすいです。○で囲むようにするとミスは減ります。このようなミスは、そばで見てあげないと気がつかないものですが、ミスを指摘するときは、叱るような口調ではなく「よくあることだけどね・・・」などと穏やかに注意したほうがいいです。私の場合は「ふ~ん、これなに?」とからかいながらやっています。
今後は「計算の工夫3」「暗算」「円周率の計算」「単位について」「答え合わせをしない子」「式を書く」「天才的な子」などのテーマを予定しています。

