計算力と学力

 

女子御三家クラスを担当していたとき、少々面倒な計算問題の100題テストをしたことがあります。その結果は、日頃の成績上位者ほどできがよいという、予想通りのものでした。その後の受験結果でみても、御三家に合格した子たちの方が、御三家に届かなかった子たちよりも圧倒的にこの計算テストのできがよかったのです。このことから見ると、計算力があるからと言って思考力もあるとは限りませんが、計算力のある子の方がやはり算数の成績が良いということになりそうです。

あわてて計算するのはよくありませんが、計算が速い子の方が遅い子よりも正答率が高いという傾向も見られました。これは単に間違えないということだけではなく、時間に余裕があると見直しができるということもあります。やり終わった計算問題を検算しようと思うかどうかという気持ちの問題でもありますが、「良い点を取りたい」という気持ちではなく「早くこの作業から解放されたい」という気持ちがあると、まったく見直しをしなくなるようです。

なぜ見直しをしようとしないのでしょうか。ミスを発見すれば点数が上がるのにもったいないと思うのですが、まったくそんなことは考えもしない子たちがたくさんいるのです。このことは、「答え合わせ」というテーマでまた書きたいと思います。

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