暗算について

 暗算は「九九」まででよい。それ以上は全部筆算と思っている子がたくさんいます。5~6年生になっても,「60÷5」「18×4」等の計算を筆算でやっている子がいますが,それでは計算力は伸びません。頭の中で数字を処理する訓練も大切なのです。私が教えた子で,「34-15」を筆算し,21と答えた子がいました。筆算は次のようになっていました。

なぜこうなったかというと,4から5は引けないので,5-4=1としたのです。ちょっとびっくりしました。このようなミスを起こさないためにも暗算は必要です。この場合,34-15=19とすぐに出てこないなら,34-15=30+4-15=30-15+4=15+4=19と頭の中でやるのです。

この訓練は,まず,16-7,13-5など簡単な繰り下がりのある引き算を暗算ですることから始めます。16-7=10-7+6=9,13-5=10-5+3=8という感じです。私は小学生だったころ,7を引く引き算が苦手でした。自分で何回か訓練しているうちに,16-7だと,7は6より1大きいから答えは10-1=9だ,13-5だと,5は3よりも2大きいから答えは10-2=8だ,というふうに覚えていました。これが正しいかどうか,覚えやすいかどうかはわかりません。大切なのはできるようになるまで繰り返すことです。どのような方法でもいいと思います。

引き算をした後,頭の中で足し算をして確認することも大切です。19+15=34と確認する習慣を身につけると,圧倒的にミスが減り得点力が上がります。

 暗算力が身につくと,問題文を読んだときに文中の数字から別の数字がひらめいて,それが解法のヒントになったり,あるいはまた正解の数字の範囲が何となくイメージできて,自分が出した答えがそこから外れていると「あれ?」と気がついてやり直せたりするのです。

特に「2けた×1けた」「2けた÷1けた」の暗算練習は大切です。前回紹介した計算プリントでは,次のような暗算練習も並べていました。

<次の計算を暗算でしなさい>

(1) 18+15=  (2) 33+57=  (3) 45-17=  (4) 80-46=

(5) 17×4=     (6) 35×8=      (7) 54÷3=   (8) 91÷7=

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