
子どもの希望で受験をすることになった,というケースもありますが,多くの場合は親の希望です。単に高学歴を目指すということだけではない,様々な目的や希望を親が持っています。それを子どもに説明して塾通いを始めさせるのですが,親の気持ちや考えを分かりやすく子どもに伝えるのは少々難しいことのようです。
遊び盛りの子どもにとって受験勉強は多少なりとも苦痛を伴うものです。10の量をやっても平気な子がいるかと思えば,2~3の量で耐えられなくなる子もいます。成績が伸び悩み,親の希望しているレベルに自分が到達しそうもないと感じると,一層辛いだけのものになってしまいます。
「やる気がないならやめなさい」と言うと,「いや,受験はする」とほとんどの子は答えます。まだ幼いゆえに,理屈と現実がかみ合わないのです。やろうとは思うけど体が動かない→成績は上がらない→親はいらいらしてきつい言葉をぶつけてしまう→子どもは一層やる気を失う・・・という悪循環が起こります。
じつは過去に1人だけ,受験勉強がいやならやめなさいと言われて「本当?やめてもいいの?」と答えた子がいました。まさかの返答に親はビックリしたのですが,親子でいろいろ話し合い受験をやめることにしたそうです。お母さんがその経過を私に報告してくれたのですが,「そんなに嫌だったのかと,あの子に申し訳なかったです」と話をされていました。でもそのときの様子は,何となく晴れ晴れとしているように見えました。
これは少々幼い子に多いのですが,受験勉強がつらくなると,とにかく親に言われた通りのことだけをしていればそれでいいと,形式的な学習をくりかえすようになる子がいます。つまり,与えられたノルマを機械的に処理するだけで,学習内容をきちんと理解するまでやろうとはしないのです。答え合わせもいい加減です。きちんとやらせたはずなのに覚えていないということが何度も起こります。自分の意思で「覚えよう,理解しよう」としていないからです。受験に対する目的意識が薄いのです。
このタイプの子たちは質問をしません。「分かった?」と聞くと「分かった」と答えます。当然成績は上がらず,親は「こんなに勉強しているのに,どうして成績が上がらないのか」と考えてしまいます。そこには,「受験はしたほうがいいらしいけど,それはお母さんがそう言っているだけで,自分は勉強が好きになれない」という子どもの本音がひそんでいます。幼さゆえに,目標に向かって我慢することができないとそうなってしまうようです。子どもが目的意識を持って行動するのは大変なことです。
次回もこのテーマを取り上げます。公立校と私立校の違いを考えます。投稿は週1(土曜日)ペースです。


趣味の挿し木です。左は白バラ,右は赤バラ。白バラに新しい芽が出てきました(^o^)
