方程式 2

 方程式を使ったほうが楽に問題が解けるのではないかと思える単元があります。例題を見てください。

<例題1> A地点からB地点まで10mおきにくいを打とうとして,必要な数だけくいを用意しましたが,

12mおきに打ってしまったので,3本余ってしまいました。AB間は何mですか。

<解法1> 余った3本もそのまま打ち続けると,12×3=36mの差が付きます。1本について,12-

10=2mの差が付くので,36÷2=18本打っていることが分かります。したがって,AB

間は10×18=180mとなります。これが差集め算の解き方です。A地点に打ったくいは考

えません。A地点に打っていても打っていなくても式や答えは変わりません。

<解法2> A地点からB地点まで10mおきに①本打つ予定だったとすると,AB間は次の式で表せます。

10×①=12×(①-3),よって,⑩=⑫-36より,②=36,①=18となり,

AB間は10×18=180mとなります。

 中学生だと,AB間をχmとおいて,χ÷10=χ÷12+3という式を立て,分数計算をしてχ=180mと求めることになりますが,これは小学生にはお勧めできません。解法1(差集め算)でスムーズに解く子もいますが,ちょっとわかりにくい場合は解法2を勧めています。これは未知数を○という記号を使って表しています。なぜそうするのかというと,χなどの記号を使うことに小学生が慣れていないことと,「χ×3」を「3χ」と書くことは小学生には無理だからです。また,算数の教科書によくあるのですが,「~を1とする」という方法は,数量を表す1と未知数を表す1が同じ表記になり,あまり良い方法とは思えません。実際に私は小学校6年生のときにそれを教わって「何これ?」と思った記憶があります。当時自分で考えてみたら,1ではなく2でも3でも10でも良いことに気がつきました。つまり,ちょっといい加減な方法だということです。この①を使う方法は,私がいた塾の塾長(とても頭のきれる人でした)が発明した方法で,後に四谷大塚の予習シリーズで「マルイチ」算と紹介されるようになりました。なかなか良い方法だと思います。

 ここで大切なのは,「式の左右の○の差が,左右の数字の差に等しい」ということを覚えることです。

次のように3つのパターンがあります。

<パターン1> ⑥+12=⑧+4,②=8,①=4

<パターン2> ⑩-20=⑮-35,⑤=15,①=3

<パターン3> ⑧-15=⑤+6,③=21,①=7(③=9ではありません)

<例題2> 講堂の長いすに生徒を座らせるとき,6人ずつだと36人が座れないので7人ずつにしたと

ころ,最後の1脚は5人がけになり,さらに2脚あまりました。生徒は何人いますか。

<解法1> すべてのいすに7人ずつ生徒が座っているとすると,36+(7-5)+7×2=52人多くな

ります。これは6人ずつ座ったときとの差の集まりなので,いすの数は52÷(7-6)=52

脚になります。よって,生徒の数は,6×52+36=348人です。

<解法2> 図のように生徒の数を直線で表し,いすの数を①とします。図より,①=36+16=52脚,

生徒数は6×52+36=348人です。これが「マルイチ」算方式です。

 古典算法(解法1は過不足算です)と方程式(マルイチ算)のどちらがよいか,大切なのは問題を解く本人がわかりやすいと納得することです。好きな方法を取ればよいのです。おおまかに言うと,算数っぽく解くのはちょっと頭を使うけれど計算が楽になり,方程式では頭はそれほど使わないけど計算力が必要になるという傾向があります。

 入試が終わり、新学期が始まり、あちこちの学校や塾も新しい体制で進み始めたと思いますが、この時期になると私もちょっと忙しくなります。模試や入試問題の作成依頼が来るのです。今年も既に作業に入っております。面倒な仕事なのですが、これで生活費を稼いでいるのでワガママは言ってられません。仕事があるのは有り難いことです。このブログの進行に影響が出るかもしれません(^o^)