ペン画は昔、ある雑誌に載せていたものです
教えていて困ることの1つがカンニングです。テスト中に隣の子の答えをチラッと見るのですが,本人はバレていないと思っているようですが,じつはほとんどすべてバレています。
それは動きが分かるからです。ゆっくりと背筋を伸ばし体を後ろに引きながら,顔を伏せたまま目を左右に動かすのです。びっくりするほど目が左右に動く子もいました。可哀想なので,その場で注意するようなことはしません。それとなく,全員に「隣を見るな~隣のほうが間違っているかもしれないよ」と言うことはありました。
問題を解くのに夢中になり,自分の答えが書いてある答案用紙を隣の子の目の前に突き出すようにする子がいました。隣の子には迷惑な話でしたが,全く動じず,淡々と自分のペースで自分の答えを書いていました。カンニングなどに興味はないのです。あまりの立派さがおかしかったです。そういう子もいました。
算数がよくできるのに,いつも隣の答えを気にする子がいました。自分のほうが正解していることが多いはずなのに,気になって仕方がないのです。問題が解けなくて隣を見るのではなく,自分が解き終わったあと隣の子の答えはどうだろうという感じで,いつもチラチラと見るのです。癖になっている感じでした。彼は文句なく御三家レベルの学力を持っていたのですが,予想外に御三家に落ち,さらに押さえの第二志望も不合格でした。
彼の学力から考えて,第二志望校まで落ちるのはありえないことでした。私は彼を呼んで言いました。「お前,カンニングしなかったか?」彼はこう答えました。「していないけど,顔を上げたら,試験官の先生と目が合った」彼の癖になっていた紛らわしい動きがマークされていたのだと思います。やめなさいと注意したこともあったのですが,まさか本番でもやるとは思いませんでした。おそらく彼の答案は採点されずに廃棄されたのでしょう。
翌日がその学校の2次試験でした。試験中,絶対に顔を上げるな,普通にやればトップレベルで合格するはずだと伝えたのですが,それを守ってくれた彼は合格してくれました。「ずっと下を向いていた」と,笑いながら言っていました。
宿題をやるときや受験校の過去問をやるときに,答えを見ながらやるのも一種のカンニングです。自分で考えないで答えを丸写しにしても,何のプラスにもならないのは本人も分かっているはずです。なぜそうのようなことをするのでしょうか。
あるお母さんが,子どものそのような行為について相談に来られたときがありました。授業でも気になっていたとお話ししたところ,「やはりそうですか」と気落ちした様子でしたが,「やっぱり私の管理がきつすぎたのだと思います」と,落ち着いた態度で話されていました。
その後しばらくすると,その子はカンニング行為をしなくなりました。きっと親子で冷静な話し合いがあったのだと思います。親子関係は各家庭によって違うので,いちがいにこうすれば良いという簡単な方法はありません。大切なのは目標に向かうときの,親子の相互理解です。それに関しては,別の機会で取り上げたいと思います。とても重要なことです。
秋バラがこれで終わり,このあと冬咲きを待ちます。
