いじめの問題

大人の世界でいろいろなハラスメントが起こっています。どのような人がどのような状況で加害者になるのか理解に苦しみますが,大人でさえそのようなことを防ぐことができない社会では,子ども同士のいじめの問題はなくなりそうもありません。

この問題に対する学校の対応の様子がわかるときがありました。ある女子御三家(あえて名は伏せます)の説明会で,「いじめは起こっていませんか?」という質問に対して校長先生は「我が校ではそのような問題は一切起こっておりません」とお答えになったそうです。参加されていたお母さんから聞きました。ところがその学校に在学中の女子生徒が,いじめにあって困っていると,ときどき私に相談に来ていたのです。先生同士でも嫌がらせをしていて,見ていられないと嘆いていました。

女子御三家受験の押さえ校として知られている女子校(ここでも名は伏せます)に通った私の教え子も,そこでいじめにあい何ヶ月か学校を休んでしまいました。相談を受けたのですが,大変だねと慰めるよりほかにできることはなく,申し訳なく残念な気持ちで一杯になりました。彼女は女子御三家に合格できるほどの学力がありながらもうまくいかず,第二志望のその学校に進みました。まじめに勉強して医学部を目指していたのですが,面接で休学について問われるのを嫌い,面接のない金沢大学医学部を受験し合格しています。今は医師として活躍しています。

いじめの問題があると認めたのは晃華学園中です。説明会で質問があったとき,「残念ながらそのような問題が起こっております。職員全員で対応し,生徒たちを守るよう努力をしております。」と答えていました。私はその場にいたのですが,立派な返答だなと感心いたしました。聞いていたお母さんたちの中には,大きくうなずいている人たちが何人かいました。正直な返答に信頼感を持ったのではないかと思います。

いじめの問題は対応が難しいです。私が担当していた女子御三家クラスでも,いじめにあっていると相談を受けたことがあります。もう受験までわずかという冬期講習の最中でした。それまで仲良くしていた数人が急に一緒に昼ご飯を食べてくれなくなったとか,帰るときも無視されるというような内容でした。物を取られるとか叩かれるとかというような被害があるわけではなさそうなので,本人を呼んで「受験のことに集中して相手にしない方がいい。強い気持ちで頑張れ」と話をしました。入試の結果は,その子はめでたく桜蔭に合格したのですが,いじめていたと思われる数人は全員第1志望には合格できませんでしたやはり,弱い者いじめをして喜んでいるような思考・行動は何の益ももたらさず,自分のレベルを下げるだけですこのことを教訓として,次の年から生徒たちに「くだらないことはするな。いじめは相手だけではなく自分をもダメにする」と話をするようにしました。

いじめをしているグループは,自宅での学習時間中にも仲間同士で他人の悪口をスマホでやり合っているのだと思います。そのような行動に疑問を感じていても,自分が標的にされるのを恐れてグループから抜け出せないということも起こっていると思います。時間の無駄だけではなく,精神的に余計なエネルギーを使ってしまうので勉強に身が入らず,受験も失敗するのです。

中央線に乗っていたときの話ですが,途中駅から乗ってきた男子2人がいました。いかにも塾帰りという感じの雰囲気でしたが,1人がこう言いました。「○○がさ,開成受けるんでだってよ」。するともう1人がこう答えたのです。「よし,開成に行ってもいじめてやろうぜ」

その2人+1人の3人がどうなったのか知るよしもありませんが,幼い頃からの家庭でのしつけが大きく関わっている問題のような気がします。情けない話です。

このブログを読んでくださっている方はほんの数人です。有り難うございます。じつは先週「カンニング」というタイトルの投稿に突然15人のアクセスがありました。他のタイトルにはアクセスは無く,中学入試直前でしたので,もしかすると何かのテクニックでも期待してアクセスしたのかも知れません。きっとがっかりしたことでしょう。(^o^)

 次回は、教える側のプライドについてです。