過去問対策2

 秋になってから過去問演習をすることが多いもう1つの理由は、塾の対応です。過去問演習を10月頃までさせない塾があります。「過去問禁止令」とかいうそうです。塾側からすると,難しい問題にぶつかって自信をなくして志望校を必要以上に下げられては合格実績があがらないと考えるからです。ハイレベル校を受ける受験生は多い方が合格者数も期待できて,翌年の宣伝が有利になります。

 また,早めにやらせると当然できない問題がたくさん出てきますから,質問が殺到するとか親からあれこれ相談を持ちかけられて対応に困るという塾の本音があるようです。特に質問への対応は面倒です。同じ問題への質問に対して,1人1人別々に答えている時間的余裕がないとか,同じ事を何度も言うのは面倒だと考える教師が出てくるのは自然なことかもしれません。それを解決するために,秋以後に一斉にやらせて一定のペースでノートを提出させるシステムにすれば,処理が楽になるというわけです。質問の多い問題は授業で解説すれば個別の質問も減るでしょう。これは塾側の都合なのです。

 しかし,合格レベルまでまだ届いていないような子の場合,それでは間に合いません。早めに過去問に手をつけさせて対策を立ててあげなくてはなりません。前回も書きましたが,過去問演習は6年生の夏休みにやるべきです。早めに自分の弱点を知り,それを意識しながら夏の間に勉強すれば必ず実力は向上し,合格可能性は高くなるはずです。

 私が担当したクラスで、出来の良い子の多くは5年生の夏休みや6年生の春休みに第1志望校の過去問に手をつけていました。こちらは何も指示していないのですが質問を何度か受けたことがあります。当然その子たちは問題なく合格していきました。そのような意識の高い子たちと戦わなくてはならないのですから,塾の都合に合わせてのんびりと構えていては損です。自分から早めに行動した方が有利なのですが,そのときに大切なのは,質問に答えてくれる先生を確保することです。ノートを提出してもなかなか返却されないとか,おざなりな○×だけの添削しかしてくれないような先生では,この子を合格させようという意識が薄いと判断されても仕方ないでしょう。困るのは,指示していない問題の質問は受けないという対応をする塾です。いきなり入試問題の質問を受けると,その場でさらっと解けない場合もありうるので嫌がるのです。

 同じ問題であっても,生徒によっては説明の仕方を変える必要があります。黒板での説明ではなく,生徒の表情を見ながら個別に説明するのは効果がまったく違います。質問にていねいに答えるのは教える側の義務と私は思うのですが,過去問禁止令とか言っている塾ではなかなか難しいことかもしれません。

 入試問題はそれぞれの学校によって,はっきりとした傾向があります。出題分野と大問の難易度に注目しなくてはなりません。特に出題が多い分野は何か,何割くらい正解できればよいか,手をつけない方がよい問題はないか,などを確認するのです。担当の先生に対策プリントを作ってもらうのが理想ですが,まず無理でしょう。私も塾で働いていた頃は質問にはたくさんていねいに答えていましたが,個別に対策プリントを渡す余裕はありませんでした。経済的な余裕があれば家庭教師という手もありますが・・・。次回は、具体的な作戦を立てた例です。