裏口入学

 裏口入学は良くないことです。しかし,明らかに学校側と何らかの交渉・つながりがあり合格したと思われるケースが何度かありました。有名大学の附属中学校で,合格するには御三家レベルの実力が必要な学校の話です。女子御三家を担当していた頃,受験校を決める保護者面談でそこを希望していると言われたとき,「絶対に無理です。言葉が悪いですが,100回受けたら100回落ちます」と伝えたところ,お母さんは余裕の表情で「うちは大丈夫なんです」と。受験生本人の実力は御三家にはほど遠く,御三家を受ける子たちがすべり止めとする学校でやっと何とかというレベルでした。「大丈夫」とはどういうことなんだ・・・と思いながらも,お母さんの自信満々の態度に引き下がるしかありませんでした。

 結果は,その志望校には合格し,他は全滅でした。明らかに裏口入学だと思われます。強い縁故があったのでしょう。じつはその学校を志望する子で,同じようなことをその後2度経験しました。合格は保証されているとはっきり言われたことがあります。先ほど取り上げた子よりもさらに学力の低い子たちです。その頃,その学校に関する怪しい話を耳にするようになりました。

 入試での保護者面接の際,学校の指示に従ってお母さん方が廊下を歩いているとき,数人が列から離れていくので,「そっちじゃないですよ」と1人が声をかけたところ,ニコニコしながら「私たちはいいんです」と答えたそうです。え?どういうこと?と,皆さんざわついたそうです。すでに合格が保証されていて面接が免除されていた人たちだったのではないかという話が学外でも広がり,学校側がうわさの否定に躍起になったそうです。これは,私のクラスのお母さんから体験談として聞いた話ですが、報道もされていました。

 その学校は成績が悪くても大学まで進めるので,入学時に他の生徒との学力差があっても負担になる心配はありません。ところが,御三家になるとそうはいきません。

 ある女子校(御三家です)に合格した教え子から聞いた話です。「びっくりするくらい勉強のできない子が同じクラスにいる。どの科目もひどい点数だし,教えてあげてもまったく理解してくれない。ひどい言い方だけど,あんなに頭の悪い人は見たことない。どうしてあの子が合格できたのか,絶対におかしい。」その子は夏前に転校していったそうです。裏口入学だったのかは知りませんが,無理して自分のレベルに合わないところに入ってもうまくはいかないということでしょう。

 裏口入学は,私立校では無くならないかもしれません。それは私立校の特権(?)かもしれません。でも,真面目に勉強してきた受験生が何人か落とされるわけです。そんな不公平は公立校では絶対にあってはなりません。しかも,これから私立高校の授業料が免除になります。公立校と同じ扱いになるのなら,縁故での合格処理はやめてほしいですね。