学校までの距離

 公立中学校や女子校では面接試験を実施しているところが多いです。当然志望理由を聞かれるわけですが,以前私立中学の先生に直接聞いた話なのですが,「家から近くて通いやすいから」と言われるとがっかりするそうです。つまり,理念や校風,学校のさまざまな活動,大学実績などについてどの位真剣に考えてくれているのかと期待しているのに,「家から近いから」ではあんまりだというわけです。私はそれを聞いてもっともな話だと思ったのですが,何年か進路指導をしているうちにそうでもないかと感じるようになりました。

 私が進路指導で近くの学校を勧めると,そこは考えていませんと言われることがよくありました。学校が近くにあると,そこに通う生徒たちの姿や仕草を目にすることがあるはずです。学校帰りは特に開放感あふれていますから,友だち同士,だらしない格好で悪ふざけをしたりすることもあるでしょう。そのときの言葉づかいや振る舞いを見て,我が子は通わせられないと考えるのはもっともな話です。学校帰りの駅のホームで鞄からルーズソックスを取り出し,上着も着替えて渋谷に向かう女子生徒たちがいたのも事実です。学校が近所にあると,そのような生徒を見かける機会が増えるのです。「近くの学校には行きたくない」という親子は多かったです。

 ところが何年か指導しているうちに,近くの学校を希望する例が増えてきました。なぜだろうと詳しく聞いてみると,だらしない子を見かけることがなくなったようなのです。そこそこのレベルで,いろいろな活動もしっかりしていて,実際の生徒たちも見苦しい行動などしていないと判断できれば,その学校も志望校の1つになることは十分考えられます。校外での行動には気をつけるようにと,あちこちの学校での指導がなされているのではないかと思います。じつは、駅や近所での振る舞いを嫌がる話を聞いたとき,私はそれらの学校に直接電話をして、「御校を受験するように勧めたいのですが,これこれこのような話がありまして・・・」と伝えたことがあります。数年後,明らかに近所での評判はよくなったように感じました。先生方の努力,大変だったろうなと思いました。

 ということになると,「家から近いから」は立派な志望理由になってもおかしくない,つまり近所から好印象を持たれているのは学校にとって良いことだ・・・と思うのですが,やはり面接の時には避けた方がよい言葉でしょう。面接担当の先生にわかってもらえない可能性が高いです(^o^)

 実際にはどの位の通学時間が許容範囲でしょうか。理想は1時間前後以内だと思いますが,御三家レベルになると2時間前後かけて通うというケースもあるでしょう。私の場合,中学校時代の通学時間は1時間10分くらいでした。駅から学校までバスに乗ることは禁止されていて徒歩(15分くらい)だったので,通学が遠くて大変と感じたことはありませんでした。通学時間が長いと,部活などで不自由な思いをすることがありえます。鞄の重さや体力の問題もありますから,あまり無理はしないほうがよいと思います。

 ところで,私の大学への通学時間は3時間半でした。ありえない数字です。始発のバスに乗っても1時間目の授業には間に合いません。なぜそんなことになったのか・・・家庭の事情だったのですが,家出の原因となったあまり楽しくない話です。別の機会があれば(>_<)