方程式について 1

 算数の問題を解くときに方程式を使っても良いのか,という問題があります。私は塾業界に入って小学生に算数を教えるようになったとき,数学的な解き方をしてはいけないのではないかと思っていました。つまり,つるかめ算や過不足算を方程式で解いてはいけないのだろうなと思っていたのです。例題を見てください。

<例題1> つるとカメの頭の数は合わせて20,足の数は合わせて66本です。つるは何羽いますか。

<解法1> 全部カメと考えると,足の数は4×20=80本です。つるとカメを入れ替えると1回について

足の数は4-2=2本減ります。よって,(80-66)÷(4-2)=7羽がつるの数です。

<解法2> つるの数をχとすると,カメの数は(20-χ)なので,2×χ+4×(20-χ)=66より,

2×χ+80-4×χ=66,14=2×χ,χ=14÷2=7

<解法3> つるの数をχ,カメの数をyとすると,2×χ+4×y=66・・・①,χ+y=20・・・②,

②を2倍して①から引くと,2×χ+4×y-2×χ-2×y=66-40,

2×y=26,y=26÷2=13,χ=20-13=7

 解法1がいわゆるつるかめ算です。解法2が方程式です。方程式は,式を立てるのは易しいが計算が面倒になるのと,上の例のように小学校では教えない数字の「移項」や「マイナス記号」が出てくることが欠点です。解法3は連立方程式です。これも計算が面倒なのですが,小学校では「消去算」として教えています。しかし,中学入試で消去算を使って解くことを求める問題が出されることはあまりありません。

 この例題で考えると,方程式や消去算はちょっと面倒な感じがするので,つるかめ算は身につけたほうが良いのではないかと思います。頭を使うので思考力も身につくという見方もあります。私はゴジラ(足2本)とガメラ(足4本)を使ってゴジガメ算とか,ムカデ(足100本)とゲジ(足300本)を使ってムカゲジ算とかやってこの古典算法を覚えてもらうようにしていました。(ムカデとゲジの本当の足の数は・・・知りません)(^o^)

 このつるかめ算が苦手という子には,面積図で解く方法があります。

 このような図形を書き,へこんだ部分を計算します。4×20=80(本)が,点線部分を含めた長方形の面積にあたります。(80-66)÷(4-2)=7(羽)という計算は,つるかめ算と同じです。私の経験では,この面積図が子どもたちにとって一番分かりやすい解き方だったように感じます。非常に困るのは,この図がきちんと書けない子です。たてが足の数,横が頭の数,それをかけ合わせた80本という数が大きな長方形の面積にあたるということが理解できない子です。平面図形の基礎から勉強してもらうしかないです(>_<)

 方程式を使って問題を解いていると思考力が身につかないと考える人がたくさんいます。確かに算数には「頭を使う」という要素が多く,数学のように公式に当てはめてガシガシ計算していくというようなことはほとんどありません。この「頭を使う」訓練で伸びていく子も多数います。しかし,単元によっては,方程式を利用するほうが良いのではないかと思う場合があります。「差集め算」や「過不足算」などです。これについては,次回取り上げたいと思います。